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夢がなくても

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2020.12.16 Released.

Listen on

 配信シングル3作目はクリスマス・ソング。クリスマスは誰かや自分に意味もなくプレゼントを贈る理由をくれる。家族や仲間、恋人、そして何より自分自身を存分に愛するチャンスが、年に一度、誰にでも必ずやってくるから、大きな夢や目標なんてなくても僕らは毎日生きられる!たった一日の愛のチャンスを胸に、なんにも起きない日常を暮らす人を抱きしめる、心ときめくファンク・チューン。

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Written by サトーカンナ、ウエグチサトシ
Arranged by グッド・ライフ・フェロウズ

Vocal: サトーカンナ
Guitar & Chorus: 三輪卓也

Bass: ウエグチサトシ
Drums & Chorus: 高橋昌大

Keyboard: 高木博音

Record & Mix: 中村公輔

Record at: Studio CRUSOE, Shinkai Studio

Artwork: サトーカンナ

Distributed by: FRIENDSHIP.

Movie

​夢がなくても(Acoustic live) - 2020.02

Talking about Christmas

都市の空気は自由にする(クリスマスの東京にて)

 

 東京の冬がすき。とくに、街じゅうがキラキラとした空気に包まれるクリスマスや年末年始が!

 わたしが上京してすぐにお付き合いした人は、東京のお金持ちのおうちに生まれたシティボーイだった。彼は世界中の音楽やカルチャーに驚くほど詳しく、いつでも洒落ていて、そしてやさしい人だった。田舎者の私は、彼の洗練された佇まいや知的好奇心の旺盛さ、そして他人に媚びないようなところがすきだったけれど、どうしても追いつけない感覚がいつまでもあった。

 彼は冬になると、たくさんのコートのなかから毎日ひとつを選び、たくさんのマフラーのなかから毎日ひとつを選んだ。靴はだいたい革靴かコンバースと決めているようだった。

 東京の冬の街にはたくさんの人がいて、お洒落をする意味がある。寒い寒いと言いながらみんながそれぞれの冬の空気を楽しんでいて、各々が自由に時を過ごしているように見える。

 誰かに見られながら、誰にも見られない時を、過ごしている。

 わたしの故郷は、冬になると雪で全てが閉ざされてしまう。雪が積もれば周りの音は一切聞こえなくなる。唯一あるのは深夜にやってくる除雪車の轟音と振動だけだ。あまりに寒いので人々は建物のなかからほぼ出ないし、車で移動するので街の人の視線を受け取ることも少ない。クリスマスは、同じ屋根の下暮らす家族のためにだけ存在したから家族のない者はほんとうにひとりぼっちになってしまうだろう。とても厳しく、残酷だろう。田舎では、ひとりでいることが 異常事態 なのだ。

 わたしは東京で孤独感を味わったことが、あまりない。ひとりでいても気にならない気楽さがここにはある。誰もが周りにある素敵なものや人に興味の視線を投げかけながら、同時に自分の半径3mにいる人間にしか深い興味をもたない。だからクリスマスの街を、洒落た身なりでひとりで歩くことがすきだ。都会にいると、自分を見失わずにいられる気がする。

 しかし上京して10年近くたった今でも、わたしの脱田舎者的メンタリティはあまり変わったように思わない。都市の自由さを感じつづけていることは、逆に田舎的な視線を自分自身に投げかけつづけていることなのかもしれない。都市に嫌気がさす日は、いつか来るのだろうか?田舎の窮屈さよりも都市の冷たさを残酷に感じる日は来るだろうか。

 いまでもずっと、わたしは東京にあこがれつづけている。

2017年12月22日に書いたブログより

​サトーカンナ

About us

good life fellows

グッド・ライフ・フェロウズ(GOOD LIFE FELLOWS)

2019年3月にサトーカンナ、ウエグチサトシ、高橋昌大、三輪卓也によって、前名義「サトーカンナ&グッド・ライフ・フェロウズ」として結成。「よき仲間とよき人生を!」をコンセプトに、生きるよろこびに満ちた多彩な楽曲を制作する。2020年4月から「グッド・ライフ・フェロウズ」に改名。

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